①キジル石窟は、天山山脈からの雪解水による川が流れ、岸辺にオアシスができ、その近辺の岩壁に掘削されている。②石窟の中は建物があるかのようであり、その東西南北の壁面と天井に仏教壁画が描かれている。③その壁画の構図はどのようであり、どのような図像が嵌め込まれているのか。④赤外線、可視光線、側光線、紫外線蛍光を利用した画像データを組み合わせ、携帯型蛍光X線(XRF)分析計による元素分析と合わせて、その壁画の絵画材料と絵画技術を究明するのが、絵画における自然科学的調査法である。キジル224窟、69窟、167窟の具体的調査結果を解説する。