講演会では、まず秩父重英さん(東北大学多元物質科学研究所教授)が、「光を放つ半導体」と題して、この後に続く二人の講演者や、光通信発祥の地としても知られる東北大学の研究について、中高生や一般向けにわかりやすく解説しました。
続いて、中沢正隆さんによる「光通信技術はどこまで進化するのか」と題した講演がありました。中沢さんはまず、電気通信研究所から生まれた、八木・宇田アンテナやマグネトロン、磁気テープや光通信の3要素など、歴史的発明を紹介。次に、光通信技術の基本技術について解説した後、光通信の最前線と将来展望を概観しました。
続いて、中村修二さんが「窒化インジウムガリウム青色LEDと紫色半導体レーザー」と題して講演しました。中村さんは、青色LEDの基本的な構造と発光原理を概説し、青色LED発明までの道のりを、ざっくばらんに語りました。加えて、現在研究を進めている紫色半導体レーザーを使った照明についても紹介しました。
最後に中村さんは「いつも私はどん底まで行って苦労して、『それ以上のどん底はない』と苦労を捨てずにエネルギー源にして研究に費やしてきた。皆さんも、東日本大震災で味わった苦労を、ぜひエネルギー源にして頑張って欲しい」と、会場の来場者にメッセージを送りました。