科学への興味喚起のみにとどまらず、科学・技術の体系的な理解と科学的思考力の育成を目的とした科学講座プログラムを、特定非営利活動法人natural scienceの科学講座「ものづくり講座」を母体としながら、(1)「土壌づくり」で形成されたネットワークを活用し、地域リソースとリンクさせながら開発・実施する、科学・技術の地産地消レストランを運営します。受益者負担モデルによる自立運営まで高付加価値化することを目指します。
参加機関から 地域リソースをヒアリング調査し、リスト化します。科学講座のコーディネーターが地域リソースの講座化を検討します。
地域リソースを活用した科学講座プログラムを開発します。
基礎・基本~物理五輪レベルまで、約100コマに体系化
【実験物理学講座】物理量を測定する実験系を構築
【理論物理学講座】物理現象を抽象化した数学による論理体系を構築
【計算物理学講座】PCで物理現象を再現するシミュレーションを構築
開発した科学講座プログラムは、県内各地で試行実施し、ユーザのニーズや専門家のアドバイス等を取り入れながら改良を重ねます。
外部コンテスト( 科学五輪、iCANなど)や学会などへ挑戦します。
地域リソースを活用して基礎・基本から物理オリンピックレベルまで体系的に科学を学び、科学的素養・思考力を育成することを目的とした中高生向け科学講座プログラムです。物理学を中心として「基礎フェーズ」と「発展フェーズ」からなり、基礎フェーズ必修を習得後に発展フェーズの受講が可能です。
基礎フェーズは、以下①②の独立した講座で構成されます。全300コマのカリキュラムです。
①ものづくり講座:電子工作を題材に、科学的な基礎力・思考力と技術力を習得する。
②アルゴリズム講座:HTML5によるアプリケーション開発を通して論理的思考力を育成する。
以上の①②講座の必修を全て修了することで、発展フェーズの受講資格を得ることができます。
発展フェーズは、以下の①②③の連動した講座で構成されます。全100コマを予定しています。
①実験物理学講座:各種物理量を測定する実験系の構築力を養成する。
②理論物理学講座:各種物理現象を抽象化した数学による理論体系の構築力を養成する。
③計算物理学講座:各種物理現象をコンピュータでシミュレーションする構築力を養成する。
以上①②③の講座プログラムの骨格となるカリキュラムを開発し、地域リソース(実験設備、技術指導、部品提供、工場見学等)を、「高精度化」「専門化」「応用化」といった高付加価値化の領域や、高度な実験系構築に不可欠な領域で活用予定です。具体的な学習手順は、次に示す手順に従って行います。
本講座では、AVRマイコン、入出力ポートを備えた基板、C++風のArduino言語、それの統合開発環境から構成されるシステムであるArduino、ならびに実験系全体の制御や実験データ解析とグラフ出力、物理シミュレーションの実行環境として、Android(タブレットPC)を活用し体系の構築を行います。Arduino、Android共にライセンスフリーのオープンハードウェア、オープンソースが最大の特徴であり、今後学校教育等への活用を視野に入れた場合に現時点で最適な組合わせと考えられます。
科学講座プログラムの開発・実施の実践を通じて、専門分野を基礎・基本から深く理解し、地域に還元できる高度な科学コミュニケーターを、natural science「ものづくり講座」のノウハウを提供しながら育成します(主に大学生・院生を想定)。
「科学・技術の地産地消」のレストランでは、科学・技術に対する興味喚起のみならず、地域リソースを活用しながら基礎・基本から物理五輪レベルまで体系的に科学を学び、科学的思考力を育成することを目的とした中高生向けの科学講座プログラムを、3カ年で100コマ開発することを目標にしている。本講座は、物理学を中心に様々な物理量を測定する実験系を構築できる力を育成することを目的にした「章カリキュラム」と、その実験系をつくるために必要な要素技術を学ぶ「要素技術カリキュラム」の大きく二つからなる。
科学講座の開発主体(=科学・技術の地産地消レストランのシェフ)は大学生・大学院生である。学生たちにとっても、主体的に科学講座を開発し中高生に提供するプロセスそのものが、科学コミュニケーターの実践的な育成になるという意図から、中高生と大学生、二重の意味で次世代を担う人材を育成するのが狙いである。現在、当該事業に志願した大学生や大学院生ら11名を継続して育成しており、地元である東北大学や宮城教育大学のほか、大阪大学大学院に所属する平岡孝一(博士課程2年生)からも応募があった。平岡は、科学と地域を結びつけることで地域を盛り上げるという当該事業の主旨に強く賛同し、将来は独立して地元の福岡にて科学コミュニケーション事業を立ち上げたいという夢と希望を携えて、休学しながら本事業に参加している。
本事業で学生を募集し科学講座を開発してから約2年半となり、当初の計画通り、平成27年度内に全100コマを開発及び試行実施完了見込みである(参照:表10)。また、最終目標のひとつである受益者負担の提供を通じた運営機関natural scienceによる自立運営を目指し、当該事業で開発した科学講座のさらなる体系化と高付加価値を進めているところである。平成27年12月からは、natural science内部(既存講座の受講生)に対して受益者負担による提供を一部開始した。さらに平成28年3月には、外部の教育機関(地元学習塾等)と連携して出張体験講座の受益者負担による提供を行う予定であり、新たな実施拠点の開拓も進んでいる。そして平成28年度から、外部の一般に対しても受益者負担による提供を開始予定である。
しかしながら一方で、下記に述べる通り、企画提案時には想定していなかった誤算があったため、講座開発や学生の育成に関する方針や方法論等については検証を繰り返した。その結果、本来の目的に対する想定以上の成果や新たな展望が拓け、今後の新たな展開への手応えをつかむことができた。その経緯と得られた知見、今後の展開について、下記に詳しく報告する。
まず、我々が当初想定していたのは、物理五輪を目標に科学教育プログラムの開発・実施を通じた実践的な人材育成である。これまで平成18年の活動当初から特定非営利活動法人natural science に来ていた大学生・大学院生たちは自分でものをつくるのが好きな学生だったため、学生自身が「自分なら、こんな教育を受けられたらおもしろい」と思うものを形にして、教育プログラムを主体的に開発する過程で成長するという、これまでと同様なアプローチで学生を育成できるものと企画提案時は想定していた。
ところが今回、大学生・院生らを約2ヵ年間育成する中で、科学講座を開発する上での大きな問題(誤算)があることが明るみとなった。それは近年ハード・ソフト問わず、たとえ理系であっても、ものづくり未経験の学生が増加しており、その段階の学生にとって多角的な認識が問われる科学講座開発は非常に敷居が高く、その前段階で、様々なトレーニングが必要という問題であった。
一方で、ここ僅か数年で、最新WEBテクノロジーやセンサー技術等の最新技術群やIOTなどの概念が著しく発展しており、企業のみならず個人でも身近に取り扱えるような環境が整いつつある。我々は当初、これら最新技術群を、物理量を測定する実験系構築のために使おうと考え、理学的なアプローチに重心を置いていた。しかし、ものづくり未経験段階の学生にとっては、そもそも原理を調べて深く理解していこうというより、その1歩手前で、まずはそれら最新技術群を使ってものをつくってみたいというモチベーションの方が高く、教育効果が高いことに気づいた。
そこで科学講座開発の前段階として、まず学生自身がおもしろいと思う「アイディアを形に」する育成段階の重要性を痛感し、下記の通り、育成ステップを新たに設けた(表11)。また、企画提案時は、物理五輪を目標とした理学的アプローチを主軸に考えていたが、当初はサブ的位置付けだった、MEMS(微小電気機械システム)を用いたものづくりの国際コンテスト「国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテスト」(略称:iCAN)等への出場を目標とする工学的アプローチの方が、上記理由から、最近の学生にとっては教育効果が高いことがわかったことから、工学的アプローチに主軸を移して、学生の育成及び講座開発を行った。
目的:科学技術創造立国日本の将来を担う次世代人材の育成
手段:大学生・大学院生による科学・技術講座の開発、及び中高生への提供(成長の連鎖)
ドライビングフォース:「自分がおもしろいと思うものを形にする」
STEP | 育成内容 | 指導内容 |
---|---|---|
1 | 要素技術を認識して適切に習得し、それら要素技術を適切につないで、ものをつくる。 | 個々人の興味や特性に応じた目標設定と計画立案、進捗管理、科学・技術指導 |
2 | 自分がおもしろいと思ってつくったものを、他人にも興味を持ってもらえるよう適切に伝える | プレゼンや文章作成の表現力、チームワーク |
3 | 個人がおもしろいと思ってつくったものを社会的・普遍的価値へ昇華させ、社会と価値を共有化する | 社会の問題点やニーズの議論、論理的思考に基づいた論理展開、社会的責任の遂行能力等 |
4 | 科学・技術の教育的価値を認識し、その教育効果を最大限引き出すためのカリキュラムや指導方法を開発して、科学・技術講座に仕上げ、中高生に対して適切に伝える | 科学・技術における教育的価値の議論、カリキュラムや指導方法の確立、コミュニケーション力、授業スキル |
今回設けた、大学生の科学コミュニケーション力育成のステップは、次のとおりである。
<ステップ1>まず、要素技術を認識して適切に習得し、それらを適切につないで、ものをつくる。<ステップ2>自分がおもしろいと思ってつくったものを、他人にも興味を持ってもらえるよう適切に伝える。そのために、学生と徹底的に議論し、個々人の興味や特性に応じた目標設定や計画立案から進捗管理、科学・技術指導、プレゼンや文章添削の表現力育成等の指導を行った。その指導の成果は、「国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテスト2015世界大会」世界1位入賞等といった実績として現れている(参照:実績1)。
さらに<ステップ3>個人がおもしろいと思ってつくったものを社会的・普遍的価値へと昇華させ、社会と価値を共有化する。そのために学生には社会の問題点やニーズへの認識を問いながら論理的思考力や社会的責任の遂行能力等の指導を行った。それらの成果は学会(参照:実績2)や論文(参照:実績3)での発表や書籍化(参照:実績4)という形で社会に還元され、また、これらの成果は国内外の各種マスメディアに取り上げられた(参照:実績5)。さらにアイディアを形にした結果は、特許申請(現在申請中)やビジネスコンテストへのプラン提案など、新しい切り口での発展につながるといった波及効果もあった。以上の総合力を習得した上で、最終目標である<ステップ4>科学・技術における教育的価値を認識し、その教育効果を最大限引き出すためのカリキュラムや指導方法を開発して科学・技術講座に仕上げ、中高生へ適切に伝える段階にまで到達することがわかった。
昨今増加傾向にあるものづくり未経験学生に対して、まずは学生自身がおもしろいと思う「アイディアを形に」する力の育成を、汎用化されたオープンな最新テクノロジーを活用しながら上記ステップを経て実践した過程は、外部からの関心も高く、問題意識を共有化した機関からは、リソース提供や連携の申し出も多数寄せられた。そこで、これまでnatural science 内部で実施してきた<ステップ1>にあたる勉強会をオープンにし、主に大学生・大学院生や社会人等を対象として、「アイディアを形に」をコンセプトに、早速、「科学・技術の地産地消のレストラン」の最終的な成果として、平成27年11月から、「科学・技術の地産地消ワークショップ」を開始した(表12)。
同ワークショップでは、個人・団体を問わず、誰もが自分の興味がある講座を勉強会形式で実施することができる。このうち我々natural scienceとしては、iCAN’15世界大会で世界1位を受賞したアプリケーションを構成する要素技術群を提供し、アイディアを形にするためのスキルやノウハウ等の概要をオープンにするワークショップを提供した。なお、対象は大学生や社会人を想定しており、学生に対してはシェフ募集のアナウンスも兼ねている。本ワークショップは平成27年11月、東北大学の社会連携事業として位置付けられ、主催に東北大学が加わった。また、本趣旨に賛同した、東北大学マイクロシステム融合研究開発センター、東北大学原子分子材料科学高等研究機構(WPI-AIMR)、東北大学知の創出センター、東北大学多元物質科学研究所、応用物理学会東北支部とも共催し、共同企画として連携したり、会場や装置、部品等の提供、周知協力等といった協力を得ている。
そして、多様な機関との連携を進める中で、「8.今後の展望」に示す通り、喫緊の課題である人材育成を地域共同で行う必要性を認識したことから、「『科学・技術の地産地消』による人材育成プラットフォーム」を設立する運びとなった。
講座名 | 担当 | 実施日 | 会場 |
---|---|---|---|
「Arduino」超入門~目的に合った選定からLチカまで~ | 平岡孝一(natural science、大阪大学大学院生命機能研究科D1) | 2015/11/02(月)19:00~21:00 | natural scienceオフィス |
【Arduinoで簡単データ取得】アナログ加速度センサー編 | 松田佳歩(natural science、東北大学工学部3年) | 2015/11/10(火)19:00~21:00 | 東北大学片平北門会館エスパス |
【Arduinoで簡単データ取得】アナログ温度センサー編 | 降旗英明(natural science、東北大学工学部2年) | 2015/11/16(月)19:00~21:00 | 東北大学多元物質科学研究所南総合研究棟2 4階セミナー室 |
【Arduinoで簡単データ取得】Bluetooth(Ver.2)による無線通信編 | 増保純平(natural science、東北大学工学部2年) | 2015/11/25(水)19:00~21:00 | 東北大学AIMR本館2階セミナー室 |
【最新ウェブテクノロジーHTML5】「Javascript」超入門 | 高橋佑生(natural science、東北大学工学部3年) | 2015/11/30(月)19:00~21:00 | natural scienceオフィス |
【Arduinoで簡単データ取得】振動センサー編 | 平岡孝一(natural science、大阪大学大学院生命機能研究科D1) | 2015/12/07(月)19:00~21:00 | 東北大学片平北門会館エスパス |
近代技術史入門~歴史から学ぶアイディアの源~ | 江刺正喜教授(東北大学マイクロシステム融合研究開発センター長) | 2015/12/12(土)15:00~17:00 | 東北大学西澤潤一記念研究センター |
【アプリ開発】Bluetooth(Ver.2)を用いたスマホアプリ開発編 | 増保純平(natural science、東北大学工学部2年) | 2015/12/14(月)19:00~21:00 | 東北大学多元物質科学研究所南総合研究棟2 4階セミナー室 |
レーザーカッターによるオリジナル筐体作成【前編】~設計・データ作成方法~ | 岩崎将明(natural science、東北大学理学部3年) | 2015/12/19(土)14:00~16:00 | natural science オフィス |
レーザーカッターによるオリジナル筐体作成【後編】~実際に加工してみよう!~ | 岩崎将明(natural science、東北大学理学部3年) | 2015/12/19(土)16:00~18:00 | FabLab SENDAI FLAT |
【最新ウェブテクノロジーHTML5】3次元コンピュータ・グラフィックス超入門 | 高橋佑生(natural science、東北大学工学部3年) | 2015/12/21(月)19:00~21:00 | 東北大学AIMR本館2階セミナー室 |
燃えないごみなどない~ごみ分類の間違い~ (対象:小学4年生~大人) |
川添 良幸 教授(東北大、特定非営利活動法人科学協力学際センター 代表理事) | 2015/12/25(金)13:30~15:00 | 特定非営利活動法人科学協力学際センター |
【Arduinoで簡単データ取得】アナログ温度センサー編 | 降旗英明(natural science、東北大学工学部2年) | 2016/01/13(水)19:00~21:00 | 東北大学AIMR本館2階セミナー室 |
【Arduinoで簡単データ取得】照度センサー編 | 平岡孝一(natural science、大阪大学大学院生命機能研究科D1) | 2016/01/18(月)19:00~21:00 | 東北大学知の館3階講義室 |
【Arduinoで簡単データ取得】Bluetooth(Ver.4)による無線通信編 | 増保純平(natural science、東北大学工学部2年) | 2016/02/08(月)19:00~21:00 | 東北大学多元物質科学研究所南1号館 3階交流スペース |
【Arduinoで簡単データ取得】デジタル温度センサー編 | 降旗英明(natural science、東北大学工学部2年) | 2016/02/15(月)19:00~21:00 | 東北大学AIMR本館2階セミナー室 |
【測定機器で高精度データ取得】オシロスコープ&ファンクション・ジェネレータ入門 | 田島圭一郎(natural science、東北大学電気通信研究科M2) | 2016/02/22(月)19:00~21:00 | 東北大学知の館3階講義室 |
【Arduinoの実践活用】加速度センサを用いた運動計測 | 松田佳歩(natural science、東北大学工学部3年) | 2016/02/29(月)19:00~21:00 | 東北大学片平北門会館エスパス |
【Arduinoの実践活用】Bluetoothによる無線通信の実践 | 増保純平(natural science、東北大学工学部2年) | 2016/03/07(月)19:00~21:00 | 東北大学AIMR本館2階セミナー室 |
【Arduinoの実践活用】デジタル温度センサーの実践 | 降旗英明(natural science、東北大学工学部2年) | 2016/03/14(月)19:00~21:00 | 東北大学片平北門会館エスパス |
【IoTに挑戦!】様々な音を解析しよう | 竹中恭介(natural science、宮城教育大学大学院 教育学研究科M1) | 2016/03/22(火)19:00~21:00 | 東北大学知の館3階講義室 |
【最新ウェブテクノロジーHTML5】「はじき」で始める物理シミュレーション | 高橋佑生(natural science、東北大学工学部3年) | 2016/03/28(月)19:00~21:00 | 未定 |
(※1) 松田佳歩 (東北大学工学部3年)、平岡孝一(大阪大学大学院 生命機能研究科 博士2年)、高橋佑生(東北大学工学部3年)、増保純平(東北大学工学部2年)
(※2) 竹中恭介(宮城教育大学大学院教育学研究科 修士1年)、藤原脩(東北大学大学院情報科学研究科 修士2年)
(※3) 渡辺慶太郎(東北大学大学院理学研究科 修士1年)、藤原脩(東北大学大学院情報科学研究科 修士2年)
(※4) 松田佳歩 (東北大学工学部3年)、渡辺慶太郎(東北大学大学院理学研究科 修士1年)、平岡孝一(大阪大学大学院 生命機能研究科 博士2年)
(※1)遠藤理平(NPO法人 natural science)
(※2)青木さくら(東北大学理学部3年)、遠藤理平(NPO法人 natural science)
(※1)青木さくら(東北大学理学部3年)、遠藤理平(NPO法人 natural science)
(※2)遠藤理平(NPO法人 natural science)
「HTML5+Web Audio APIによるオーディオデータプロセッシング―「音」の理論から生成、分析、オリジナル電子楽器の開発まで」(カットシステム、平成27年12月10日出版)著者 遠藤理平(NPO法人 natural science)、竹中恭介(宮城教育大学大学院 教育学研究科 修士1年)、藤原脩(東北大学大学院 情報科学研究科 修士2年)
本科学講座は、実験系構築に必要な要素技術を習得することを目的とした「要素技術カリキュラム」、及び、習得した要素技術を用いて実験系を構築することを目的とした「章カリキュラム」で構成される。3カ年度で要素技術57コマ、章カリキュラム56コマの合計113コマ(目標100コマ)の開発を行い、それぞれ試行実施を行った(表10)。
物理学の最初に学習する自由落下運動を題材に、古典力学における最も重要な物理量のひとつである重力加速度を測定する実験系の構築から、得られた計測データの解析などの理論的な取り扱い方法までの一連の流れを習得するための講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
---|---|---|
1. 自由落下運動についての考察 | 青木 |
平成26年3月29-30日試行実施(実施レポート) 平成27年2月14日試行実施 平成27年3月28日試行実施 平成27年4月26日実施 平成27年5月24日実施 |
2. 物理現象の理解と実験系の検討 | 青木 | |
3. センサーの動作原理 | 岩崎 | |
4. 測定原理の理解 | 岩崎 | |
5. 実験系の設計と構築 | 岩崎 | |
6. 実験装置の制御と実験 | 安田 | |
7. 物理量の解析 | 安田 | |
8. 質点運動の記述 | 高橋 | |
9. 運動の三法則 | 高橋 | |
10. 実験系を記述する | 高橋 | |
11. 空気抵抗を考慮したモデル | 高橋 | |
12. 実験結果の考察 | 青木 |
オリジナル音色の楽器を最新ウェブテクノロジーを活用して作成することをとおして、音の性質を物理的かつ聴覚的理解することを目的とした講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
---|---|---|
1.音と波の関係(音の高低と波の周波数の関係、音の大きさと波の振幅の関係) | 藤原・竹中 |
平成27年3月26日試行実施(実施レポート) |
2.楽器と音色(基準音と倍音)の解析 | 藤原・竹中 | |
3.音階(オクターブ、平均律、純正律) | 藤原・竹中 | |
4.様々な波形の音生成(三角波、のこぎり波、矩形波) | 藤原・竹中 | |
5.任意音色の電子楽器の開発 | 藤原・竹中 | |
6.和音と和声 | 藤原・竹中 | |
7.オーケストラを構成しよう | 藤原・竹中 |
直流と交流を「発電」、「測定」、「使用」の3つ観点から学び、電子楽器の自作と測定を通して電気の基本的な知識と重要性を学び講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
---|---|---|
1. 直流と交流のつくりかた「電池による発電とモーターによる発電」 | 田島 |
平成27年3月28日試行実施 |
2. 直流と交流のみかた「直流と交流の定量的な測定」 | 田島 | |
3. 直流と交流のつかいかた「電子楽器の作製」 | 田島 |
光の波動性と粒子性というに2つの性質の内、光の波動性を理論と実験の両面から深く理解することを目的とした講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
---|---|---|
1. 数式と物理シミュレーションで波を理解しよう | 遠藤 |
平成27年8月23日試行実施(実施レポート) |
2. 光学実験系を構築してみよう | 大野 | |
3. 社会で役立つ光技術についての講演 | 技術者 |
物理現象をコンピュータ内で再現することを通して、数学、物理学、計算アルゴリズムを習得する講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
---|---|---|
1.仮想物理実験室の構築 | 高橋 |
平成27年3月27日試行実施 |
2.「はじき」の公式から導かれる計算アルゴリズム(オイラー法) | 高橋 | |
3.等速直線運動の計算アルゴリズム | 高橋 | |
4.等加速度運動のシミュレーション | 高橋 | |
5ニュートンの運動方程式(力と質量と加速度の関係) | 高橋 | |
6.自由落下運動のシミュレーション | 高橋 | |
7.斜方投射運動のシミュレーション | 高橋 | |
8.モンキーハンティングのシミュレーション | 高橋 |
加速度センサの作成を通してセンシングの原理を習得する講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
---|---|---|
1.センシングと加速度 | 岩崎 |
平成27年3月24日試行実施 |
2.変位の測定とバネと可変抵抗 | 岩崎 | |
3.加速度センサモデルの作成と加速度の測定 | 岩崎 |
加速度センサーを用いて重力加速度や運動の測定を通して、センサーの使い方から運動計測の方法までを習得する講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
---|---|---|
1.加速度を知ろう | 松田 |
平成26年8月24日試行実施 平成27年8月17日試行実施(実施レポート) 平成27年11月10日試行実施 平成28年2月29日試行実施予定 |
2.加速度を測定しよう | 松田 | |
3.加速度を可視化しよう | 松田 | |
4.加速度センサーから取得した加速度から速度と位置の解析 | 松田 | |
5.複数の加速度センサーから得られるデータを用いた運動の解析 | 松田 | |
6.振動運動の解析 | 松田 |
電波時計の作成を通してアンテナの原理、電子回路、プログラミングを総合的に学習する講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
---|---|---|
1.電波時計の仕組み | 渡辺 | 平成28年3月試行実施予定 |
2.アンテナの基礎・バーアンテナ編 | 渡辺 | |
3.電波時計受信ICの使い方 | 渡辺 | |
4.蛍光表示管の点灯制御 | 渡辺 | |
5.スイッチング回路の設計 | 渡辺 | |
6.LCRメータの使い方 | 渡辺 | |
7.Arduino Pro Miniの使い方 | 渡辺 | |
8.Oリングを用いたキャップ作成 | 渡辺 |
各種実験系を構築するために必要なマイコンボードであるArduinoを基礎から習得するための講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
---|---|---|
1.Arduinoの環境準備 | 八重樫、平岡 |
平成26年3月29-30日試行実施(実施レポート) 平成27年4月4日試行実施 平成27年8月17日試行実施(実施レポート) 平成27年11月2日試行実施 |
2.デジタル入出力 | 八重樫、平岡 | |
3.シリアル通信 | 八重樫、平岡 | |
4.A/D変換 | 八重樫、平岡 |
計測データの解析から2次元グラフで描画を行うまでの一連の流れを習得するための講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
---|---|---|
1.jqPlotによる2次元グラフ描画 | 藤原 |
※実施講座名:ランダムウォークで学ぶデータ解析 平成26年3月29-30日試行実施(実施レポート) 平成26年8月14-15日試行実施 |
2.ランダムウォークのシミュレーション | 藤原 | |
3.外部ファイルから数値データの取得 | 藤原 | |
4.シミュレーション結果のグラフ化 | 藤原 | |
5.シミュレーション結果の数式化(フィッティング) | 藤原 |
実験系の筐体の材質として利用するアクリル板の加工から設計までを習得するための講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
---|---|---|
1.図面描画用ソフトウェアの使い方 | 岩崎 |
※実施講座名:一日で作る自作プラモデル~レーザーカッター加工入門~ 平成26年3月29-30日試行実施(実施レポート) 平成26年8月14日試行実施 平成27年2月22日試行実施 平成27年12月19日試行実施 |
2.レーザーカッター加工用図面の描き方 | 岩崎 | |
3.レーザーカッターの加工方法 | 岩崎 | |
4.はめ合いの設計と作成 | 岩崎 |
プログラマブル音源を用いて音波の特徴(振幅と振動数)の理解とプログラミング技術の習得を目指した講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
---|---|---|
1.音波の基本要素について | 藤原 |
※実施講座名:ピアノアプリケーションを作ろう 平成26年8月19日試行実施 平成26年8月30日試行実施 平成27年3月26日試行実施(実施レポート) |
2.WebAudioAPIの利用方法 | 藤原 | |
3.音声信号の生成と再生 | 藤原 | |
4.ピアノアプリケーションの作成 | 藤原 |
コンピュータグラフィックスを用いてコンピュータ内に仮想世界を創造する過程をとおして、現実世界の視覚的要素を理解することを目指した講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
---|---|---|
1.コンピュータ・グラフィックスの全体像 | 高橋 |
※実施講座名:3次元コンピュータ・グラフィックス入門~天地創造~ 平成26年8月9日試行実施 平成26年8月23日試行実施 平成27年2月11日試行実施 平成27年12月21日試行実施 |
2.3次元グラフィックスの形状、位置、姿勢の基本 | 高橋 | |
3.様々なモデリング(形状)について | 高橋 | |
4.光源による陰影 | 高橋 | |
5.様々な反射モデル(材質)について | 高橋 | |
6.アニメーション | 高橋 |
オシロスコープの使い方を学び、加電気の可視化を通して直流と交流の基本を理解する講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
---|---|---|
1.オシロスコープの使い方 | 田島 |
※実施講座名:電気を可視化してみよう!~デジタルオシロスコープによる交流波形計測~ 平成27年3月28日試行実施 |
2.測定用発振回路(無安定マルチバイブレータ)の製作 | 田島 | |
3.交流電流の計測 | 田島 |
温度変化によって抵抗値が大きく変化する電子部品であるサーミスタを利用して、温度計測を行う講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
---|---|---|
1.サーミスタの温度-抵抗値特性 | 渡辺 |
試行実施未実施 |
2.サーミスタの実装方法 | 渡辺 | |
3.サーミスタを用いた温度計の設計 | 渡辺 |
Aruduino(マイコンボード)を用いて温度センサーを制御する方法を学ぶ講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
---|---|---|
1. 温度センサーの基本 | 降旗 |
平成27年11月16日試行実施 |
2.アナログ温度センサーの使い方 | 降旗 |
近年普及している通信規格の一つであるBluetoothの利用方法からアプリ開発までの一連の流れを学ぶ講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
---|---|---|
1. Bluetoothとは | 増保 |
平成27年11月25日試行実施 平成27年12月14日試行実施 平成28年2月14日試行実施予定 平成28年3月14日試行実施予定 |
2. Bluetooth(Ver.2)で無線通信 | 増保 | |
3. Bluetooth(Ver.2)をArduinoで制御 | 増保 | |
4. Bluetooth(Ver.2)でArduino間無線通信 | 増保 | |
5. Bluetooth(Ver.4)で無線通信 | 増保 | |
6. Bluetooth(Ver.4)をArduinoで制御 | 増保 | |
7. Bluetooth活用法 | 増保 |
Aruduino(マイコンボード)を用いて振動センサーを制御する方法を学ぶ講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
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1. 振動センサーの基本について | 平岡 |
平成27年12月7日試行実施 |
2. アナログ振動センサーの使い方 | 平岡 |
Aruduino(マイコンボード)を用いて照度センサーを制御する方法を学ぶ講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
---|---|---|
1. 照度センサーの基本について | 平岡 |
平成28年1月18日試行実施 |
2. アナログ照度センサーの使い方 | 平岡 |
回路シミュレータを用いて回路設計の基本を学ぶ講座。
内容 | 担当シェフ | 試行実施の様子 |
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1. 回路シミュレータの使い方 | 渡辺 |
平成28年2月1日試行実施 |
2. 発振回路を設計してみよう | 渡辺 |
要素技術13~17まで掲載準備中
掲載準備中
平成27年2月14日実施
平成27年3月30日実施
平成27年4月26日実施
平成27年5月24日実施
当該事業で開発した科学講座を小中高生に対して試行実施した結果も、理学的アプローチより工学的アプローチの方が参加者人数が多かったことから、大学生のみならず、小中高生に対しても、理学的アプローチだけでなく、最新の技術群も含めた工学的アプローチの二本柱が重要である現状を認識した。
そこで、「科学・技術の地産地消レストラン」の最終目標のひとつである科学講座の受益者負担による提供についても、本支援で開発した科学講座群を理学的アプローチと工学的アプローチの両輪で、
「圧倒的な基礎力と創造力をその手に」をコンセプトに「科学・技術講座」として再編し、次に示す通り、体系化・高付加価値化を進めているところである(下図)。
受益者負担により提供する「科学・技術講座」は、「圧倒的な基礎力と創造力をその手に」をコンセプトに、上図に示す通り、「基礎編」と「発展編」のふたつで構成する。基礎編は、特定非営利活動法人natural scienceが平成20年から既に実施している講座で全12章(約300コマ)のカリキュラムからなり、2,000円/回(月8,000円)の受益者負担で提供中で、現在約50人が受講している。発展編は、本支援で開発した科学講座群を再編し体系化・高付加価値化しているもので、受講料4,000円/回(月16,000円)で提供する。発展編は「アドバンスコース」と「チャレンジコース」の二つのコースがある。カリキュラムに沿って発展的内容を指導するのがアドバンスコースであるのに対し、チャレンジコースは、受講生の希望に合わせ、iCANや物理五輪のような国際大会等を目指すオーダーメイド形式のコースである。
講座提供の一部準備が整った平成27年12月から、まずnatural science の既存講座(ものづくり講座、アルゴリズム講座)の受講生たちに対して新しく設置した科学・技術講座の発展編を案内したところ、5名が発展編に進み、12月から、受益者負担での提供を一部開始することができた。なお、受講生たちの目標は下記のとおりである。
・「三次元コンピュータグラフィックスを使ってアプリを開発して大会に出たい」(小学5年生)
・「情報五輪出場を目指して、C++を究めたい」(高校1年生)
・「センサーを活用してアプリを開発し、国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテスト出場を目指したい」(高校2年生)
・「電子工学をもっと深く理解したい」(高専3年生)
・「最新WEBテクノロジーを使ってアプリを開発したい」(小学6年生)
「自分がやりたいことを講師の方が手伝ってくれる講座は、今まであれば良いなと思っていた講座なので、科学・技術講座の発展編ができて良かった。これまではカリキュラム通りに学習するため、基礎的な知識や技術は習得できるが、それを『さらに深めたい』と思った時、自分ではなかなかできなかったので、そのようなことを積極的にやらせてもらえる機会を欲しいと思っていた。『科学の甲子園』全国大会や『情報オリンピック』予選という目標に向かい、情報科学系を頑張って深めたい」
また、新たな実施拠点を開拓するため、一部講座を出張短期講座用に再編して、外部の教育機関等と連携し、出張短期講座の受益者負担による提供を行う。平成28年3月には、地元学習塾の「ひのき進学教室」と連携し、3会場2回ずつ計6回、出張短期講座を受益者負担により提供予定である。
【実施内容】 | 3次元コンピュータ・グラフィックスに挑戦!~はじめてのプログラミング&アルゴリズム~ |
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【内容】 | 映画やゲーム等のエンターテイメント業界でもお馴染みの3次元コンピュータ・グラフィックスですが、実は、数学やアルゴリズムの固まりです。そこで本講座では、書籍の著者自ら、プログラミングが初めての方を対象に、前半では、プログラミング言語の基礎から、数列や素数などの整数論の問題を題材に、アルゴリズムを構築する方法までを、1から実践的に指導します。後半は、コンピュータ内にバーチャル世界をつくるコンピュータ・グラフィックスの基本を学び、オリジナル3次元オブジェクト(ポリゴン)を作成して動きを制御する方法までを学びます。 |
【講師】 | 遠藤理平 (特定非営利活動法人natural science 代表理事、博士(理学)) |
【使用テキスト】 | three.jsによるHTML5 3Dグラフィックス(上)遠藤理平(著) 株式会社カットシステム(978-4-87783-324-4) |
【実行環境】 | HTML5 WebGL APIが動作するウェブブラウザ(Google Chrome) |
目次 |
第1章 はじめてのプログラミング&アルゴリズム ~最新ウェブテクノロジーのプログラミング言語を使いこなそう!~ ・オブジェクト指向プログラミング言語「JavaScript」の基本文法を理解しよう! ・制御構文を用いて問題解決アルゴリズムを構築しよう! 第2章 はじめての3次元コンピュータ・グラフィックス ~コンピュータ内にバーチャル世界を構築しよう!~ ・様々な3次元オブジェクトを生成しよう! ~ポリゴンの誕生~ ・3次元オブジェクトの動きを制御しよう! ~アニメーションの実装~ |
【時間】 | 4時間(①午前の部:9~13時、②午後の部:14~18時) |
【対象】 | プログラミング初心者、①小学5~6年生、②中学1年生~高校3年生 |
【定員】 | 10名程度(会場の都合により決定) |
【時期】 | 今年度内(~2016年3月)の実施、例:春休み期間など |
【会場】 | ひのき進学教室の泉中央教室、上杉教室 |
【費用】 | 8,000円(4時間)+書籍代(本体価格3,400円) ※税抜価格 |
【備考】 | PC(Win7以上)は各自持参(希望者はPCレンタル可:1回500円) |
【周知】 | 学都「仙台・宮城」サイエンスコミュニティ会員(約6,500人)への告知 |
「アルゴリズムやプログラミング等は大学入試変革の流れの『先取り』。資本力のある学習塾大手が先行投資の対象とするもの。しかし自前での投資は大変であるため、この連携に大変興味がある」
(ひのき進学教室)
このように時代の変化にあった学生の育成や講座の開発・提供方針は見えてきたものの、これまで「科学・技術の地産地消」を謳ってきたわりには概念のみが先行し、まだ地域リソースを活用し切れていないのが現状であった。一方、「科学・技術の地産地消」と銘打ち、地域の様々な立場の人々と情報交換する中で気づいたことは、皆それぞれ様々なアイディアやスキル・ノウハウを持っているが、一人では技術や時間が足りない人もいれば、望まれればスキルやノウハウをぜひ提供したい人もいることであった。同時に、我々が大学生に対して感じたような人材育成に関する問題点は、どの組織においても喫緊の課題となっているが、一方、組織単独でこの問題に割けるリソースや体制が無いために問題が先送りになっている現状も、様々な組織から聞くことができた。
そこで、「科学技術の地産地消」を具現化するひとつの形として、「アイディアを形に」をコンセプトに、地域の様々なスキルやノウハウ等のリソースを共有化し、喫緊の共通課題である人材育成の問題に地域共同で取り組むオープンなプラットフォーム、名付けて「科学・技術の地産地消による人材育成プラットフォーム東北(仮)」を実現できるのではないかという着想に至った。詳しくは、「8.今後の展望」で本構想について述べる。