iCAN’15には、世界12ヶ国15,000人以上の学生から応募があり、世界大会には、日本、台湾、中国、香港、タイ、アメリカ、ドイツ、スイス、ポーランド、ニュージーランドの10ヶ国から、各国内・地域予選を勝ち抜いた19チームが参加しました。松田をリーダーとするチームは、4月の日本国内予選で優勝を果たし、世界大会への出場権を獲得しました。
同コンテストで優勝した作品「どこでも茶道(Anywhere SADO)」は茶筅に各種MEMSセンサー(加速度センサー、ジャイロセンサー、赤外線センサー)を搭載し、美味しいお茶の条件として「滑らかさ」「泡のきめ細かさ」「濃さの均一性」「適度な温度」の4つの観点から、お茶の出来具合を点数化することで、世界中どこでも茶道のお稽古ができるというアプリケーションです。
さらに国内予選優勝後は有線で繋がっていた茶筅と制御装置を無線化し、より自然にセンサー付き茶筅を取り扱えるようにする等、作品を改良しました。なお、本アプリケーションは特許出願中です。
特定非営利活動法人natural science (注2)では、「科学・技術の地産地消」をコンセプトに、地域の様々な知的資源を教育的価値として地域に還元する循環作りを目指した、『学都「仙台・宮城」サイエンスコミュニティ』を平成25年度に立ち上げました(JST科学技術コミュニケーション推進事業「ネットワーク形成地域型」平成25年度採択事業)。
本コミュニティでは、各団体による既存活動の効果最大化を目的としたネットワークを形成する「科学・技術の地産地消の土壌づくり」と、地域資源を活用した科学講座の開発・実施を通じて次世代人材を育成する「科学・技術の地産地消のレストラン」の両輪により、科学・技術の地産地消の実現を目指しています。
科学・技術の地産地消のレストランで育成中の大学生・大学院生たちは、オリジナルの科学講座を開発し中高生へ提供する過程を通じて、科学的な基礎力や思考力、ものづくりのスキルやノウハウ、コミュニケーション力やマネジメント力等、必要な素質を実践的に習得すると同時に、アイディアを形にする場として今回、iCAN’15に挑戦しました。
注1)MEMS(Micro Electro Mechanical Systems):半導体製造技術に基づき作製されるセンサー等の微小デバイス。スマートフォン、携帯電話、自動車、ゲーム機器、産業機械などに大量に使われています。
注2)特定非営利活動法人natural science は、知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造にむけて、科学の結果だけでなくプロセスを共有化できる場づくりを目指し、年に1度の科学イベント『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』(来場者:約7,400人、出展者:約100団体)や、小中学生向けの科学講座「ものづくり講座」等の活動を行う、宮城県仙台市が拠点の団体です(2007年NPO法人設立、代表理事 遠藤理平)。
特定非営利活動法人natural science
理事 大草 芳江(おおくさ よしえ)
TEL: 022-721-2035
E-mail: info@natural-science.or.jp http://www.natural-science.or.jp/