特定非営利活動法人natural scienceと東北大学工学部「創造工学研修」注1の共同チーム(リーダー:松田佳歩/natural science、東北大学工学部3年)が、4月16日にせんだいメディアテークにて開催された「第6回 国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテスト(iCAN’ 15)」国内予選で優勝を果たし、 6月21日から米国アラスカ州アンカレジにて開催される世界大会に、日本代表としての出場を決めました。また、同チームは来場者の投票で選ばれる最優秀ポスター賞にも輝き、W受賞を果たしました。
国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテストは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)注2を用いたアプリケーションを提案し、試作した成果を競う学生向けの国際コンテストです。同コンテストにて優勝した作品「どこでも茶道」は、茶道の所作を定量的に測定し、客観的に評価できる画期的なアプリケーションです。茶筅にMEMSセンサー(加速度センサー、ジャイロセンサー、赤外線センサー)を組み込み、美味しいお茶の条件である「滑らかさ」「泡のきめ細かさ」「濃さの均一性」「適度な温度」の4つの観点からお茶の出来具合を点数化し、世界中どこでも茶道のお稽古ができます。チーム茶道のリーダー・松田佳歩は5年の茶道歴を有していますが、「定性的だった所作の指導を定量化したい」という発想と「作品を通じて茶道の魅力を世界に知ってほしい」という動機から、本作品を構想し、後述するプロセスを経て、他3名のチームメンバーとともに優勝作品を作り上げました。
natural science は、田中秀治教授・塚本貴城助教研究室が担当する「創造工学研修」と連携し、同研究室からMEMSに関する講義や技術的支援等を受けると同時に、「創造工学研修」受講生を受入れ、natural scienceの科学講座「ものづくり講座」を、「創造工学研修」受講生に提供しながら基礎力を育成しました。その後、「創造工学研修」受講生とnatural science のメンバーでチームを組み、iCANへの出場を目指して、アプリケーション開発を進めました。今回のiCAN’15国内予選の優勝は、地元NPOと国立大学による新しい連携教育の成果と言えます。
なお、natural science では、「科学・技術の地産地消」をコンセプトに、地域にある様々な資源を教育的価値として地域に還元する循環作りを、大学・研究機関や企業等と連携のもと実現することを目指しています(学都「仙台・宮城」サイエンスコミュニティ/JST科学技術コミュニケーション推進事業「ネットワーク形成地域型」支援採択企画)。今回、「科学・技術の地産地消」レストランのシェフ(科学コミュニケーター)として養成中の学生ほぼ全員が参加して3チームを結成し、その中に創造工学研修生を加えてiCAN’15国内予選に出場しました。その結果、「チーム茶道」が優勝、「チームサウンドシャワー」が第5位入賞、「チーム雪国」が奨励賞を果たしました。
注1)東北大学工学部の「創造工学研修」は1年生対象の科目であり、各研究室が提供する約130の実践的研修プログラムに700名弱の学生が参加します。工学部機械知能・航空工学科バイオロボットシステムコースの田中秀治教授・塚本貴城助教研究室は、「MEMSアプリケーション・コンテスト」と題する研修プログラムを提供し、natural scienceと連携して受講生を含むチームをiCAN’ 15国内予選に送り出すことを目指してきました。
注2)MEMS:半導体製造技術に基づき作製されるセンサー等の微小デバイス。スマートフォン、携帯電話、自動車、ゲーム機器、産業機械などに大量に使われています。東北大学はMEMSに関する研究開発で世界的に有名です。
特定非営利活動法人natural science
理事 大草 芳江(おおくさ よしえ)
TEL: 022-721-2035
E-mail: info@natural-science.or.jp
http://www.natural-science.or.jp/
・iCAN’15 国内予選
・iCAN’15 世界大会
・東北大学大学院工学研究科バイオロボティクス専攻 田中(秀)・塚本研究室
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・東北大学工学部プレスリリース