この会は、今年7月に東北大学で開催された『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』で、仙台高専(リカレンジャー)の出展が、「宮城県産業技術総合センター所長賞」を受賞したことをきっかけに、その副賞として実施されたもの。
はじめに伊藤努所長から「自分自身が理科が好きでなければ、子どもたちに理科の楽しさは伝えられない。日頃から、失敗もしながら達成感やワクワク感を感じて欲しい。今日はぜひ楽しんで」と挨拶があった。
続いて、伊藤克利さんが同センターの概要を説明。同センターは県の公設試験研究機関の一つで、本県が掲げる「富県宮城の実現、県内総生産10兆円への挑戦」の実現を目指し、県内製造業を技術的に支援していることが説明された。
このうち、3次元画像計測・処理を見学した班では、部品などの3次元形状を非接触でスキャンする機器(3次元デジタイザ(3D-CAT))の操作を体験。
この機器は、測定結果をコンピュータで製図した3次元データ(3D-CAD)と比較して検査したり、3D-CADデータを生成して新たな製品を設計できたりするため、スピーディな試作品づくりに役立つことが説明された。
プラスチック成形を見学した班では、素材の割合を変えて、好きな色のプラスチック材料をつくる体験を行った。
同センターでは、用途に応じて素材や割合を変えながら、目的の機能や色を持つ、様々なプラスチック材料を開発できるという。また、金属と比べて、プラスチックは低温で成形可能であるといった特長なども説明された。
X線CT装置を見学した班では、サンプル内部を非接触で観察できるX線画像処理技術を体験した。
金属や樹脂を溶かして型に流し込んでつくる部品は、内部にどうしても欠陥ができるため、内部の欠陥を検査する時などに使われるという。なお、欠陥は製法上ゼロにはならないため、欠陥の場所の制御が鋳物企業の腕の見せ所であることも話された。
参加した学生は「学校にはない最新設備に直に触れることができ、あっという間の充実した時間だった。他にもいろいろな装置を見てみたいと思った」などと感想を述べていた。