サイエンス・デイ オブ ザ イヤー2021(JST理事長賞)受賞企画概要
1.出展プログラム名
コロナウィルス封じ込め大作戦
2.出展団体名
仙台高等専門学校名取キャンパス専攻科
仙台高等専門学校名取キャンパス専攻科・本郷研究室 協力:株式会社構造計画研究所
3.構成員名簿(氏名・学年)
氏名 |
役職・学年 |
佐藤 航 |
専攻科2年 |
バヤルバータル |
専攻科2年 |
アリウンザヤ |
専攻科1年 |
佐藤 颯一郎 |
本科 4年 |
本郷 哲 |
教授 |
4.受賞コメント(約400字)
この度は、JST様より大変栄誉ある賞をいただきまして、誠にありがとうございました。 私共は、オンラインの特徴を生かしてで何かおもしろいことができないかと考えておりました。 サイエンスディ がオンラインになってしまった根本的な原因は、新型コロナウィルスですから、我々人類にとって、大変迷惑な存在であるコロナウィルスを題材に今年はできないものかとも考えておりました。 とはいっても、遠隔で安全に実験ということは実験が難しいため、とても簡単なシミュレーションで、ウィルスの感染を防ぐ手立てを目に見える形にできないかと考え企画いたしました。参加の子供さんたちには、プログラムの論理構造 や サイエンスの考える基本のモデルというものが伝わればと考えました。来年以降は、コロナが収束し、皆んなが一堂に会して手でモノを動かすサイエンスディ ができることを願い、御礼に代えさせていただきます。 この度は、栄誉ある賞をいただき、誠にありがとうございました。
5.プログラム紹介文
私共は、オンラインの特徴を生かしてで何かおもしろいことができないかと考えておりました。 サイエンスディ がオンラインになってしまった根本的な原因は、新型コロナウィルスですから、我々人類にとって、大変迷惑な存在であるコロナウィルスを題材に今年はできないものかとも考えておりました。しかし、危険なコロナウィルス を題材に安全に実験することはとても難しいことです。
一方で、ニュースや、グーグルのサイトでは、様々な研究者の方が、感染の予測を我々に提供してくれていることを目にします。
そこで、オンラインの特徴を活かしてとても簡単なシミュレーションで、ウィルスの感染を防ぐ手立てを目に見える形にできないかと考え企画いたしました。
実際には小学生でも楽しくプログラムが組んで見えるもの、大人でも少し凝ったことを試せるものということを念頭に、MITで開発されたScratchから基本的なシミュレーションを体験できるところから始まり、構造計画研究所様のご協力を得て、汎用のシミュレーションソフトウェアであるArtiSoc(アーティソック)をサーバー上で動かして試してみるところまで、遠隔でできるようにいたしました。
実際にブロックを積むようにプログラミングしたりするところから、モデルを考えて感染率やワクチンの効果をシミュレーションするようなところまで、参加者の興味と知識に合わせて体験できるようなプラットフォームを用意しました。
6.趣旨・ねらい(どのようなことをねらいとして、出展内容を考えましたか?)
参加の子供さんたちには、プログラムの論理構造 や サイエンスの考える基本である「モデル」というものが伝わればと考えました。
また、このような物事を科学的にモデル化することで、ニュースでよく見聞きする感染の予測などを得ることができるという応用できるということを感覚的に捉えてくれればと考えました。
もちろん、プログラムの論理構造やビジュアルプログラミングそのものを楽しく学んでもらいたいという副次的なねらいもありました。
7.具体的な出展内容(6.の目的を実現するために、どのような出展内容としましたか?)
HPに示す通り、以下のような出展を構成しました。
サイエンスディ の参加対象が非常に幅広いことを意識して、小学低学年から大人までが興味を持てるようにスモールステップの段階を踏んでいます。
また、サーバー上でプログラムを実行できるように
1. シミュレーションとは? (小学生対象 約5分)
2. プログラムのきほん (小学生対象 約3分)
3. オブジェクト指向(しこう)プログラミングからMAS(小学中学年以上対象 約9分)
4. Scratch でシミュレーション説明ビデオ(全対象 約7分)
5. Artisocでシミュレーション説明ビデオ(全対象 約6分)
6. Scratchでシミュレーション(ここから自由に)
4の説明を見ながら、簡単(かんたん)なシミュレーションを体験(たいけん)してみよう (PCまたはタブレットを推奨します。)
7. Artisocでシミュレーション(ここから 開催期間限定)
5の説明を見ながら、マルチエージェントシミュレーションツールを体験してみよう (PCまたはタブレットを推奨します。)
8.出展内容を説明する写真や図(1点以上)
図1シミュレーションの説明スライド例(小学生低学年向けの説明スライド)
図2 条件文の説明スライド例(小学生低学年向けの説明スライド)
図3シミュレーション実施画面(1)(Scratchシミュレーション開始画面)
図4シミュレーション実施画面(2)(Scratchシミュレーション途中の状態)
図1、2にあるように、YouTubeを用いてシミュレーションの意義やプログラミングの基本を説明しました。
図3、4に示すようなMITで開発されたScratchを用いて、感染シミュレーションを見せました。
マウスクリックするだけでシミュレーションできるほか、内容について自分でプログラムを書き換える(ビジュアルプログラミングなので置き換えるに近い)ことが可能となっています。
この他、構造計画研究所の協力の元、研究者が使うようなマルチエージェントシミュレーションも体験できるようにしています。
9.科学を社会に伝えるために、特に工夫していること・意識していることは何ですか?
科学を学ぶ方のモチベーションの維持がとても大切だと考えています。単純な暗記ではなく、科学的な思考を通して理解してもらうことが大切と考えています。
また、学齢に応じて、スモールステップと興味関心をどのように持たせるかを考えてもいます。最終的には科学することを楽しめる環境が重要と思っています。
10.その他、アピールポイントなど、ご自由にご記入ください(自由記入欄)
コロナ禍、様々な災害、で社会がつらい状況にあるときこそ、冷静な科学的な思考が必要であると思います。 SDGsの根幹は科学的な思考にほかならないでしょう。 これからの方々の科学的な思考学習の一助になればと考えています。
一緒に高専で学びましょう。