サイエンス・デイ オブ ザ イヤー2022(仙台市長賞)受賞企画概要
1.出展プログラム名
身近な疑問がいーっぱい!「『波』っておもしろい」を感じてね。
2.出展団体名
仙台市立仙台青陵中等教育学校 科学部
3.構成員名簿(氏名・学年)
非公開
4.受賞コメント(約400字)
この度は素敵な賞をいただきありがとうございます。今年は波という大きなテーマのもとで、身近な現象に興味を持ってもらうことを目的に出展しました。当日は予想以上の来場者に、準備した資料を午前中で配り切ってしまったり、工作用の偏光板を全て提供しきってしまったりと想定外のこともありましたが部員一同協力してなんとか乗り越えることができました。来場者の方々から「楽しい!」「凄い!」といった感想と笑顔を見て、達成感を感じました。『サイエンス・ディ』は準備から当日にかけて、私達が大きく成長できる場でもあります。この成長を活かして部員一同更なる高みを目指して頑張っていきます。映えある賞を本当にありがとうございました。
5.プログラム紹介文
身近なところには疑問がたくさんあふれています。「なぜ?」という気持ちを大切にし、楽しい体験をしながら、学んでいきましょう!
今回は「波」というテーマをもとに、数種類の体験型ブースを用意しました。「縦波と横波の違いってなんだろう」「偏光板ステンドグラスを作ろう」「屈折率の違いを見てみよう」「オシロスコープで音の形見てみよう」など、基本から発展的な実験や工作があり、見て・触って・使って体験していただきます。幼稚園生から大人の方まで幅広い年齢の方全員が楽しめるような内容になっています。
さあ、皆さんも「わかるっておもしろい」を感じてみましょう。
6.趣旨・ねらい(どのようなことをねらいとして、出展内容を考えましたか?)
私たちは、このテーマを通して、身近に当たり前のように起こっている現象について「なぜ、これが起きるんだろう?」という疑問を持ってもらい、わかりやすい実験を通して、その原理を理解してもらおうと考えました。加えて、実社会と科学の密接な関わりをもっと知ってもらい、科学に興味を持ってもらおうとも考えました。私たち中高生と子どもから大人までたくさんの人との交流を通して、これらのことを伝えていけたらと思います。
7.具体的な出展内容(6.の目的を実現するために、どのような出展内容としましたか?)
私たちは『波』というテーマのもとで数種類の体験型ブースを出展します。
①波の基本的性質に関する実験
7-1 縦波と横波って?
長いコイルばねを用いて、自分で波を作って伝わり方を確かめてもらいます。縦波と横波を比較しながら、日常生活のどのようなところにあるのかを紹介します。
7-2 波の干渉って何だろう?
水面に物を落とすとその物を中心に円状に波が広がりますが、何個も物を落とすとそれぞれの波は重なり合って複雑な模様になります。このお互いを複数の波がお互いを強め強め合ったり弱めあったりする「波の干渉」の様子を観察し、理解してもらいます。
②光に関する実験
7-3 光って何からできてるの?
分光と加法混色を使って光と波の関係を理解してもらいます。
まず、分光する方法には大きく分けて2つの方法があり、まずは①プリズムによる分光。波長毎に屈折率が異なる原理を利用して分光します。太陽光を分光すると、虹のような無数の色が現れます。同じことがプリズムでも再現でき、今回は、太陽光と同じ白色光が、プリズムを通して分光することを観察してもらいます。
次に、光の三原色の赤(R)・緑(G)・青(B)は重ねるごとに明るく、白になります。加法混色と呼ばれるものを、ライトを用いて観察し、理解してもらいます。
7-4 回折格子って何だろう?
分光する方法には大きく分けて2つの方法があり、次に②回折格子による分光。
光の回折と干渉を利用して分光します。回折格子(グレーティング)は光学素子のことで、金属やガラス板の平面に非常に細かい平行スリット(溝)が配列され、そこに光が入射すると光の回折と干渉により波長毎に分光されるのを観察してもらいます。
7-5 偏光板で光を見てみよう!
自然光と偏光の違いを説明しながら、偏光板を利用してフィルムやセロハンなどを使って、カラフルできれいなステンドグラスを工作してもらいます。
③音に関する実験
7-6 音の形を見てみよう!
目に見えない電気の信号を、時間の経過に沿って画面上に波形で表してくれる測定器のオシロスコープで、『波』の基本的な性質の波長・周期・振幅・振動数などを理解していただきます。また、音の三要素の高さ・大きさ・音色もオシロスコープでどのような波形になるかを観察して学んでもらいます。
7-7 ドップラー効果って何だろう?
救急車が近づいてくるときに高い音が、遠ざかるときに低い音が聞こえる現象のドップラー効果を、回転台と音源を用いて観察してもらいます。
8.出展内容を説明する写真や図(1点以上)
5-5 偏光板で光を見てみよう!
5-6 音の形を見てみよう!
9.科学を社会に伝えるために、特に工夫していること・意識していることは何ですか?
科学の成果は、私たちの社会生活に欠かせないものとなっています。本校科学部では、身近な現象について取り上げることにより、科学と社会生活の関わりを実感し、科学の面白さに気づき、興味や疑問を持ってもらえるようにしています。これを実現するために「あらゆる事象に疑問を持ち、その真理を探究する」ことをモットーとし、活動しています。
科学を社会に伝えるためには老若男女すべての人々が楽しめるようにしなければなりません。従って、私たちは常に様々な視点からどのように伝えれば楽しめ分かっていただけるかということを考えながら、科学を伝えるように心がけています。
10.その他、アピールポイントなど、ご自由にご記入ください(自由記入欄)
本校の出展では、多くの人に「わかるってたのしい」を感じていただくために様々な工夫をしました。
今回は、光や音といった捉えにくい現象を可視化することによって、『波』の原理を分かりやすく感じてもらえるように工夫しました。
第一に、同じ実験を小学生以下には色々なものに触れて体験させ、探究心を導き、中学生には学習内容を踏まえつつ、発展した内容や学年を先取りした内容も踏まえ、高校生以上にはより高度な内容に触れ、深く理解してもらいます。基本から応用的な内容を『波』というテーマのもとで理解できるようにしました。
第二に、いつ来ても体験でき、工作が苦手な子どもでも工作が完成できるようなブースにし、来ていただいた方々の時間に合わせて、個別に丁寧に説明できるようにも準備しています。
第三に、2年ぶりの対面形式での開催ということで、自分で見て触れて、さらに家でも楽しめるようになっています。それに加え、光や音などの捉えにくい現象を可視化するような工夫によって、より分かりやすく理解できるようにしています。