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サイエンス・デイ オブ ザ イヤー2023(仙台市長賞)受賞企画概要

1.出展プログラム名

確かめよう!  地震のゆれで起きること

2.出展団体名

認定NPO法人 防災・減災サポートセンター

3.構成員名簿(氏名・学年)

氏名 役職・学年
今野隆彦 理事長
守屋資郎 副理事長
黒墨秀行 副理事長
濱崎英作 理事
菊地 真 理事
正木光一 正会員

4.受賞コメント(約400字)

 この度は、仙台市長賞をいただきましてありがとうございます。
 私たちは、犠牲者ゼロを目指して!を合言葉に活動しているNPOです。仙台市内の町内会や各地の小中学校などで地域防災のためのマイマップづくりを支援しております。
 自然災害に関する防災実験でサイエンスデイに2009年(H21年)から毎年参加させていただいております。地震波、液状化、建物の揺れ、地すべり、土石流、津波などに関する実験を通して、自然災害のメカニズムの理解と備えをしていただきたいとの一心で続けております。今年の参加者は小学低学年とその保護者で、普段お付き合いさせていただいている年齢層とは大きく違いますが、子供たちは将来、保護者世代はこれから自然災害にますます興味を持って、防災・減災に備えてくれることを期待しております。
 この受賞を機に、さらに皆様のお役に立てる活動を継続していきたいと思います。最後に、主催者のナチュラルサイエンスの大草様には、この度のサイエンスデイオブザイヤーへの応募を強くお勧めいただきました。たいへん感謝しております。

5.プログラム紹介文

 地震のゆれがもとで、さまざまな災害が発生します。三つの実験でいろいろな現象がおきることを確認しましょう。①地震波の実験;地震は突然起きて大きくゆれます。地震の実験でP波とS波を目で見てみましょう。②液状化実験;砂地盤で水が多いところでは地震のゆれで液状化がおきて、地表が水浸しになります。実験で液状化を起こしてみましょう。③共振の実験;高いたてものは遠くでおきた地震でも大きなゆれかたをすることがあります低いたてものと高い建物はどのようなゆれが影響するのでしょうか。いろいろな実験をしながらその理由を考えてみましょう。夏休みの自由研究のヒントになるかも!

6.趣旨・ねらい(どのようなことをねらいとして、出展内容を考えましたか?)

 自然災害を避けられない日本列島に住む私たちは、自分たちの周辺環境を知って、災害に備えることが必要です。気象災害や地震など多くの自然災害が発生しますが、特に地震は、突然起きて被害がゆれにとどまらず、津波や液状化など多岐にわたります。今回は地震のゆれとそれに伴って発生する液状化について、簡単な実験装置で観察できる現象を確認していただき、地震とその被害について理解を深め、事前のそなえを考えていただくことを目指しました。

7.具体的な出展内容(6.の目的を実現するために、どのような出展内容としましたか?)

7-1 地震波を見る
実験装置
支柱と吊り下げたオモリ、オモリを連結した輪ゴム、地表に見立てたカラーボードと竹ひご、プレート境界での断層運動を再現する起震装置
実験の方法;
起震装置―オモリ―竹ひご―カラーボードを連結し、起震装置でオモリを揺らし、輪ゴムで連結したオモリでP波(たて揺れ)とS波(横揺れ)を観察し、カラーボードがP波とS波に反応して異なる揺れ方をすることを観察します。
着眼点
①起震源は海溝型地震を想定したプレート境界を模した装置で断層の動きを再現しています。
②オモリの動き;P波は進行方向に前後方向で先行して進行します
        S波は進行方向に直交方向でP波に遅れて進行します
③カラーボード;P波は小さな上下動、S波は大きな水平動で見ることができます
④竹ひご;細くて柔らかい竹ひごは軟弱地盤でゆれが大きく、これより太い竹ひごではゆれが全体に小さく、固い地盤~岩盤を想定できます。
特徴
①感じることができても、実際見ることができないP波とS波を目で見ることができます。
②起震源でプレートの動きによる地震の発生をイメージできます。
③地盤の硬軟で建物などのゆれが異なることをイメージできます。

7-2 液状化実験
実験装置
ペットボトル、水、粒度調整済みの砂、水槽、起震装置
実験の方法
ペットボトルにあらかじめ砂と水を入れて蓋をしておきます。砂の中に小さなプラスチックの模型などを入れておきます。ペットボトルを上下逆にして砂の中に模型を埋め込みます。この状態でペットボトルに振動を与え、模型が砂の上に浮上るのを観察します。水槽の中に模型と一緒に適度の水を入れ、砂の表面に水が見えない程度にゆる詰めにします。水槽に振動を与え続け、水が表面に出てくるのを確認します。同時に模型が砂の中から浮き上がるのを確認します。
着眼点
砂と水が混ざり合い、液体状になって、砂の中にあった模型が浮力で浮上ります。液体状に変化して、砂がモノを支えることができないことと、砂の中の模型が浮力で浮上る(埋設管の浮き上がり)を確認できます。
特徴
砂と水と振動という3つの条件で液状化することがわかります。しかし、すべての砂でおきるのかはわかりません⇒各自の夏休みの自由研究へ、さまざまな条件でどのような結果になるか試してみましょう。

7-3 固有周期実験
実験装置
プラスチック段ボール、板、キャスター
実験の方法
1階、2階、4~5階の建物を想定したプラスチック段ボールの模型を、キャスター付きの板の上に置き、周期を変えて揺れを与え、どのような周期が高さに最も影響を与えるかを観察します。
着眼点
短周期と長周期、建物の固有周期とゆれが一致した時に建物被害(倒れやすい)を確認します。
特徴
1~2階建ての住宅と中高層のマンションなどのゆれに対する応答を実験します。固有周期の説明によって建物のゆれが異なることを実験できます。

8.出展内容を説明する写真や図(1点以上)


9.科学を社会に伝えるために、特に工夫していること・意識していることは何ですか?

 対象は小学生の子どもたちとその保護者で、両者にわかりやすく、質を落とさず、現象とその意味を伝えることを心掛けました。実際の社会生活の中での現象を説明でき、一人ひとりの命を守るには、その人がさまざまな現象に興味を持ち、自然災害に備えることが重要であることを伝えたいと考えました。そのために、身近な材料を使って、実験を行い、その結果からいろいろなことを考えて欲しいと思います。
 3種の実験を通して、地震の発生とその影響(液状化による被害、建物のゆれによる被害)をイメージし、子どもも大人もそれぞれに理解と興味を持っていただきたいので、簡単な実験で現象をうまく説明することを心掛けました。

10.その他、アピールポイントなど、ご自由にご記入ください(自由記入欄)

 子どもは簡単な実験で、手品のような揺れや液状化を見ることができますし、保護者の大人には地震とその影響の説明を理解してほしいと思います。日本列島ではいつ地震が起きるかわかりませんので、地震波や液状化、建物の固有周期などの知識と実験の体験が、どこに住んでいてもいつか思い出して役に立つように願っています。

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