「科学と社会」についての捉え方は、立場によって異なります。議題は、ゲストが「科学と社会」をどのように捉えているのかからスタートし、その切り口から、ゲストと参加者同士で活発な議論を行います。明示的な落とし所をつくることが主目的ではなく、様々な立場の方にご参加いただくことによって、「科学と社会」の現状を浮き彫りにすることを主な目的としています。
※これまでの開催報告は、以下ページをご覧ください。
http://www.natural-science.or.jp/communication/science_and_society/
1958年、宮城県生まれ。1981年、北海道大学農学部農学科卒業。2014年、東北大学大学院農学研究科博士号取得(農学博士)。1981年、宮城県採用。2016年、宮城県古川農業試験場場長。2019年、宮城県を定年退職。2019年、東北福祉大学感性福祉研究所特任教授、現在に至る。宮城県古川農業試験場や農林水産省北海道農業試験場において、「ひとめぼれ」「まなむすめ」「蔵の華」「ササニシキBL1~8号」「たきたて」「ゆきむすび」「東北194号」「金のいぶき」「だて正夢」「吟のいろは」「おぼろづき」等の水稲品種の育成(計33品種)や水稲の耐冷性、耐病性、食味品質、葯培養に関する研究に長年携わる。2000年、河北文化賞受賞。
第10回目の開催となる今回のお一人目のゲストは、元・宮城県古川農業試験場場長の永野邦明さん(東北福祉大学感性福祉研究所特任教授)です。「ひとめぼれ」「蔵の華」「ササニシキBL1~8号」「ゆきむすび」「金のいぶき」「だて正夢」「吟のいろは」など、宮城県が誇る人気ブランド米の生みの親で、鳴子の米プロジェクト(NPO法人)や、大崎の米「ささ結」ブランドコンソーシアム(大崎市)等のプロジェクト支援にも携わっています。永野さんからは、初の玄米食専用品種として大きな注目を集める「金のいぶき」の開発秘話やその社会的インパクト、さらには昨今の新型コロナウイルスの影響等について、「『金のいぶき』が拓く新しい玄米食の世界」と題してご講演いただきました。
1979年、宮城県栗原市生まれ。2002年、東京農業大学醸造科学科を卒業して蔵に戻る。2006年、高齢だった南部杜氏の引退を機に、家族での酒造りに切り替え。2008年、岩手宮城内陸地震によって被災。2011年、東日本大震災によって被災、新工場建設へ。2012年、新工場完成、秋より酒造り開始。2019年、萩野酒造株式会社代表取締役就任。宮城県酒造組合理事、宮城県酒造組合需要開発委員長。
お二人目のゲストは、旧奥州街道の宿場町有壁(宮城県栗原市)で1840年に創業した、萩野酒造株式会社代表取締役(八代目蔵元)の佐藤曜平さんです。商品のほとんどが純米酒以上の特定名称酒で、歴史のある代表銘柄「萩の鶴」や、曜平さんが立ち上げた新銘柄「日輪田」で、地元のみならず全国的にも有名な蔵元です。最近では日本酒の日でもありメガネの日でもある10月1日に消費者の手に届くよう販売される日本酒「メガネ専用」等のユニークな企画でも知られ、また世界最大規模のワイン品評会「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」2020年のSAKE(純米大吟醸酒)部門で部門世界2位タイのトロフィーを受賞するなど、世界からも高い評価を受けています。曜平さんからは、現代の日本酒について、「日本酒は造り手の情熱と科学によって進化し、今が一番おいしい時」と題してご講演いただきました。
第10回「科学と社会」意見交換・交流会のゲストスピーカーによる講演動画をご覧いただけます。
今回は新型コロナウイルス感染拡大対策のため、オンラインにて開催しました。本来でしたら片手に議論するはずだった、ゲストスピーカーの講演内容にちなんだ日本酒は、ご参考までに以下の通りです。
1.「金のいぶき」純米酒(寒梅酒造、使用米:金のいぶき、精米歩合:90%)※限定販売
2.「ささ結」純米大吟醸(寒梅酒造、使用米:ささ結、精米歩合:50%)※ 限定販売
3.「萩の鶴 極上純米酒 蔵の華」(萩野酒造、使用米:蔵の華、精米歩合:50%)
4.「萩の鶴 純米吟醸 吟のいろは」(萩野酒造、使用米:吟のいろは、精米歩合:50%)
5.「日輪田 山廃純米大吟醸」(萩野酒造、使用米:雄町、精米歩合:45%)
※ 1~4は宮城県産米で醸された日本酒で、「金のいぶき」と「ささ結」は飯米、「蔵の華」と令和元年デビューの新品種「吟のいろは」は酒造好適米です。5はIWC2020のSAKE(純米大吟醸酒)部門で部門世界2位タイのトロフィーを受賞した日本酒です。