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サイエンス・デイ オブ ザ イヤー2022(文部科学大臣賞)受賞企画概要

20181103-8

1.出展プログラム名

音程を触覚に変換してみるとどうなる?
~耳の不自由な人でも音楽を楽しめるように~

2.出展団体名

秋田県立由利高等学校 理数科 課題研究・物理班

3.構成員名簿(氏名・学年)

氏名 役職・学年
加賀 駿 (かが はやと) 理数科3年
木内 求道 (きのうち もとみち)
佐藤 星汰 (さとう せいた)
渋谷 光亮 (しぶや こうすけ)
髙橋 清 (たかはし きよし) 教諭

4.受賞コメント(約400字)

 この度は、文部科学大臣賞とベストプレゼンター賞の両方を頂くことができ誠に光栄に思います。この研究のきっかけは、校内に聴覚支援を必要とする生徒が2人いたことでした。何か手助けになるものを作れないか? 口の動きを文字に変換する装置や文字を手話に変換する装置のようなものは作れないかなど考えてみた結果、音程を触覚に変換する装置を製作することにしました。最初は、音声の周波数成分ごとの強さを検出してサーボの先に取り付けた爪楊枝で腕の内側を刺激する装置でしたが、意外と分かりにくい、痛いといった欠点がありました。そこで試行錯誤を重ね、振動モーターを使うことで、感じ取りやすく、かつ安全な装置に改良することができました。
 サイエンスデイ当日は沢山の人に2つの装置を体験してもらい、多くのご指摘・感想を頂くことができました。この研究はとても荒削りで、まだまだ完成品とは言い難いものですが、多くの人々に知ってもらうことによって、ちょっとした工夫や新しい視点からの発明にはまだまだ可能性があることを示すことができたら嬉しいです。
 今回このサイエンスデイに参加できて、様々な賞と同時に多くの人から感想等を頂くことができ、科学の可能性は無限大だなと感じました。そして、科学やテクノロジーによって、障害を持つ方々も健常者と同じように暮らせる世の中が来ることを願っています。

5.プログラム紹介文

 聴覚支援を必要とする人がもっと音楽を楽しめるにはどうすれば良いか? そんな思いからこの装置を考案しました。音の強弱だけでなく、音程ごとに機械的な動きに変換し、腕の内側を刺激することで、新感覚の音楽体験ができます。

6.趣旨・ねらい(どのようなことをねらいとして、出展内容を考えましたか?)

 ハイテクとローテクの組み合わせの妙や、「感覚支援」というジャンルについて目を向けるきっかけとなればと考えています。

7.具体的な出展内容(6.の目的を実現するために、どのような出展内容としましたか?)

 音楽信号を装置に入力すると、周波数帯域ごとの強弱に応じて、サーボの角度が変化します。サーボの先端には爪楊枝が取り付けてあり、前腕の内側などでこの刺激を感じ取ってもらいます。
単純に音の大きさだけでなく、音程によって動くサーボが異なるので、今まで無かったような不思議な体感が得られます。
 装置は敢えてケース等に収納せず、バラックの状態にして使っている部品や配線が見えるままにしました。手作り感や手軽さ感が感じられ、そして「これなら自分にも作れそうだ」と思ってもらえることを狙いました。
 サーボを使った初号機の他に、スマホ等でバイブレーション機能に使われている振動モーターの振動に変換したバージョンもあるので、こちらも体感してもらいました。
(なお、来場者の声などをマイクで入力した場合なども楽しんでもらえればと考え、装置を準備はしていたのですが、当日は多くの来場者に対応するのが手一杯だったため、披露せずに終わりました。機会があればお披露目したいと思います。)

8.出展内容を説明する写真や図(1点以上)

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装置全体の様子

 音声信号をマイコン(Arduino)を使ったスペクトルアナライザーに入力し、その出力に応じて2cm間隔のサーボを動かします。サーボの先端には爪楊枝がついていて、これで前腕の内側を刺激します。

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サーボを振動モーターに変更した改良版

周波数ごとの音の大きさに応じて、モーターがブルブル振動します。

9.科学を社会に伝えるために、特に工夫していること・意識していることは何ですか?

 見た人の頭の中に、いろいろなものが「(自分たちにも)作れるんだ」「これを利用すれば○○ができるかも」という発展的な希望が生まれてくればいいな、と思っています。
 ハイテクな装置に見えても、その多くはちょっとした技術を組み合わせていけば実現できること、昔ながらのアナログなものでも、ちょっとハイテクを足してあげるだけで格段に便利になる可能性があることを、自分たちも考えるし、見る人も期待を感じられるような話題を提供できればと考えています。

10.その他、アピールポイントなど、ご自由にご記入ください(自由記入欄)

 この装置を考えるきっかけとなったのは、学校に聴覚支援を必要とする生徒が複数名いたことでした。授業を受けるときには、音声を文字に変換してくれるソフトやインターネットサービスを利用したり、補助のための先生をつけてもらったりしていました。
 そして運動会ではクラス全員でチームダンス(パフォーマンス)をする伝統があるのですが、音楽に合わせて踊ったりすることをどのくらい楽しめているのだろうかと疑問に思ったこともありました。
 ちょっとした工夫(テクノロジーの支援)で、障害を持つ人も健常者と同じように活動できる世の中が普通になればいいなと思っています。

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