志津川湾と湾をとりまく町の自然環境を知ってもらおうと、南三陸ネイチャーセンター友の会(東日本大震災によって被災した南三陸町自然環境活用センターの再興を支援する有志の集まり)が主催し、南三陸町が共催したものです。
南三陸町自然環境活用センターが生物相調査を行なって保管していた約800点の生物標本は、東日本大震災による津波によって流出しましたが、震災後、ネイチャーセンター準備室の活動で900点を超える標本ストックにまで回復しています。
企画展では、これら標本の一部とポスターが地名ごとに展示されており、コーヒー片手に、南三陸町の豊かな自然環境と生物多様性を知ることができました。このほか、様々な動物の骨や、有志によって作成された南三陸町のジオラマの展示、東北大学総合学術博物館の学生有志「みちのく博物楽団」による南三陸などの化石を用いた展示体験、日本自然保護協会や東北大学の調査研究のポスター展示などがありました。
南三陸ネイチャーセンター友の会会員で南三陸町産業振興課の平井和也さんは、「南三陸町の豊かな自然環境と、そこに様々な生きものたちが存在することの理解につながれば」と話していました。
南三陸町は、町域と分水嶺が一致している珍しい自治体で、町内に降った雨のほとんどが志津川湾に流れ込むようになっています。志津川湾と言えば、美味しい海産物が採れることで有名ですが、湾と、それを取り巻く森・川・里・街とのつながりを、生物多様性という切り口から理解することの重要性を感じた展示会でした。