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2019年12月20日 

【開催報告】「natural science 科学・技術講座」冬休み特別企画「科学者による特別講演会」並びに「第9回『科学と社会』意見・交換交流会」を開催しました(講師:川添良幸 東北大学名誉教授、2019年12月22日)

◆ natural science 科学・技術講座 冬休み特別企画「科学者による特別講演会」(親子向け)

「natural science 科学・技術講座」科学者による特別講演会のようす=2019年12月22日(日)開催

「natural science 科学・技術講座」科学者による特別講演会のようす=2019年12月22日(日)開催
 natural science 科学・技術講座では、冬休み特別企画として、親子向けの科学者による特別講演会を、2019年12月22日(日)に開催しました。

 講師は、スーパーコンピュータを活用したシミュレーション計算による計算材料学の草分けで、啓蒙活動にも積極的に取り組んでいらっしゃる、東北大学未来科学技術共同研究センターのシニアリサーチフェロー/科学協力学際センター代表理事の川添良幸先生(東北大学名誉教授)にお務めいただきました。


講師をお務めいただいた、東北大学未来科学技術共同研究センターのシニアリサーチフェローで、科学協力学際センター代表理事の川添良幸先生(東北大学名誉教授)

講師をお務めいただいた、東北大学未来科学技術共同研究センターのシニアリサーチフェローで、科学協力学際センター代表理事の川添良幸先生(東北大学名誉教授)
 川添先生は「常識を問い直しましょう~勘違い科学の紹介~」と題して講演を行い、観測には常に精度の限界があることや、教育過程での思い込みがあることを、「月は地球の衛星ではない」「三角タイヤでも自動車は滑らかに走る」「五角形タイルでも敷き詰められる」など、様々な事例やワークを交えながら解説。「正しく理解するには、きちんと計算して判断する必要がある。それが科学的に考えるということ」と定量的に理解し判断する必要性をお話いただきました。



◆ 第9回 「科学と社会」意見交換・交流会

講師をお務めいただいた、東北大学未来科学技術共同研究センターのシニアリサーチフェローで、科学協力学際センター代表理事の川添良幸先生(東北大学名誉教授)

講師をお務めいただいた、東北大学未来科学技術共同研究センターのシニアリサーチフェローで、科学協力学際センター代表理事の川添良幸先生(東北大学名誉教授)
 その後、第9回「科学と社会」意見交換・交流会を開催し、川添先生には続けてゲストスピーカーをお務めいただきました。

 「科学と社会」意見交換・交流会とは、「科学と社会」をテーマに、毎回、各界から多彩なゲスト(科学者、実業家、行政関係者、作家など)を迎え、宮城の美味しい日本酒を交えながら、ざっくばらんに議論する、ニュータイプのサイエンスカフェです。「科学と社会」についての捉え方は立場によって異なります。議題はゲストが「科学と社会」をどのように捉えているのかからスタートし、その切り口からゲストと参加者同士で活発な議論を行います。明示的な落とし所をつくることが主目的ではなく、様々な立場の方にご参加いただくことによって、「科学と社会」の現状を浮き彫りにすることを主目的としています。


ゲストスピーカーをお務めいただいた、東北大学未来科学技術共同研究センターのシニアリサーチフェローで、科学協力学際センター代表理事の川添良幸先生(東北大学名誉教授)。

ゲストスピーカーをお務めいただいた、東北大学未来科学技術共同研究センターのシニアリサーチフェローで、科学協力学際センター代表理事の川添良幸先生(東北大学名誉教授)。
 第一部では川添先生から「科学と社会」について、「科学者や工学者は単に対象が『おもしろい』ということで研究をスタートするが、自分の研究領域がなぜ発生したのか、なぜ特定領域のみが優遇されるのか、社会に『役に立つ』とはどういうことなのか、世界の中での自分の立ち位置はどうなっているかを熟知し、責任を持って活動を継続しなければならない。そのためには、世界的な地政学のバランスを十分に理解する必要がある」とのお考えを、原子力発電所やごみ焼却、ヨーロッパ中心のメルカトール図法の世界地図など様々な事例を挙げながらお話いただきました。川添先生は、「オリジナリティとは自分の頭で考えること。外国の真似をするうちは世界で勝てない。自分たちの言語で、自意識を持って関わり合う姿勢が必要」と強調されました。


第9回「科学と社会」意見交換・交流会の第二部のようす

第9回「科学と社会」意見交換・交流会の第二部のようす
 第二部では、宮城の日本酒(「宮寒梅」純米大吟醸無濾過中取り生、「乾坤一」純米吟醸「冬華」生、「萩の鶴」別撰純米吟醸生、「伯楽星」純米吟醸雄町新酒火入れ)を交えながら、川添先生を囲んで、ざっくばらんに意見交換を行い、相互理解を深めました。参加者からは、「会議中に間違いを指摘することがタブー視される風潮が日本社会にはあるので、貴重で意義深い場である」「通例にとらわれずに、一人一人が論理的思考を行い、噛み砕いて理解する必要性を改めて感じた」等の声がありました。

※ 「科学と社会」意見交換・交流会 これまでの開催報告一覧はこちら


公開:2020.01.04 主催・共催・コーディネート(報告)
文責:大草芳江

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