同所では、野菜・花・果物といった園芸作物の新品種や栽培技術の開発、農作物の流通や農業経営に関する調査研究、東日本大震災からの復興に向けた技術の開発に取組んでいます。一般公開では、同所の試験研究を紹介する7つの体験コーナーが実施されました。
このうち「果樹園を探索しよう!」では、リンゴやブドウなどの果樹ほ場を観察しながら、職員が美味しい果実の見分け方や採り方を解説。「リンゴは、大きくて全体に色づいた果実を選び、おしりが黄色になった果実が採り頃」「ブドウは、軸が緑色で果実の元の部分まで着色しているものを選ぶのがポイント」といった職員の解説に耳を傾けながら、参加者らは品種の食べ比べを楽しんでいました。
このほか、野菜や果樹に発生する病気や虫を顕微鏡を使って観察したり、土や野菜の栄養について簡単な実験で調べる体験コーナーや、旬の果物を試食しながら果物や野菜に関するよもやま話を聞けるコーナーなどがありました。果物の品種の食べ比べも、参加者の人気を集めていました。
試験研究には、生産者のニーズに合わせて現場の課題を解決するための研究と、新品種開発のように10年以上の長いスパンで取り組む研究があります。「この広大な果樹園にある農芸作物のうち、名前のある品種は1割弱。食味だけでなく、育てやすくて生育もよく、病気になりにくい等の条件が揃うことが必要なため、開発した新品種に名前の付く確率は、わずか何万分の1」ということです。
大沼康所長は、「毎日皆さんが食べている、いろいろな食べ物が、どのようにしてできて、どれくらいの種類があるのか、楽しみながら実感してもらいたい」と話していました。